ねこの生活と意見 nekokane.exblog.jp

好きなリンク先を入れてください

きょうも良き日


by neko
プロフィールを見る
画像一覧

<   2012年 08月 ( 6 )   > この月の画像一覧


1幕


f0064415_2212111.jpg
演出したオペラを緊張感無くみられるというのは幸せなことだ。
なぜか、失敗するとは思えなかった。だから、ずっとカメラのファインダーからの鑑賞。
そして会場いっぱいの観客は笑ってくれた。
お母さんは、ホントウは陽気で優しいのだ。
f0064415_22121942.jpg
森で迷ったヘンゼルとグレーテルにも悲壮感はない。
だいたい森で遊ぶのが大好きなんだから・・・・
f0064415_22122517.jpg
このオペラの美術の一番難しいのはこの森の場面だと思う。
だいたいイチゴがとれるのは草原で、オバケが出てくるような森ではない。
切り株が光っているような森に花が咲いているわけが無い。
はじめから台本作者の間違いだらけの空想の世界なのだ。
そうならば、と、思いっきりチープな森にした。
妖精の持つ杖らしきものも100均である。
f0064415_22123532.jpg
バレエの場面もカットした。この作品も、どの上演を観てもこのバレエ場面が情けない。
だいたい天使という夢の中のものが、実際に出てきて踊るなんて幻滅ではないか?
コレまでの演出家は、なぜそんなこともわからないのだろう?
といって、歌を変えない限り、出さないわけにはいかない。
だからバレエシーンの歌で14人の天使を7人の「ホンモノの天使」に持ってもらった。
バレエを習っている子たちに立っているだけの演技をさせてしまった。
でも、みんな笑顔で、スックと背を伸ばして「バレエで」立っていてくれた。
[PR]
by kanekonekokane | 2012-08-29 22:29

f0064415_023680.jpg
伊勢音楽劇場「ヘンゼルとグレーテル」
登場人物の紹介をかねて、観客の子どもをヘングレの世界にみちびく、コント。
仰々しいオーケストレーションで有名なこのオペラ、ピアノだけでやると聞かせどころが半減する。が、そのかえし、歌も客席に届いてドラマが見えてくる。
だから序曲はもちろんカット、その代わりのコント。
f0064415_024569.jpg
指揮者が「歌を会場といっしょに歌うのはどうです?」という言葉に「待ってました!」と一幕に出てくるダンスの歌を歌った。
これで観客の気持ちは一気にほぐれた。
f0064415_025358.jpg
ロンドンオリンピックの興奮冷めやらぬころなので、こういう「金メダルポーズ」もフツーに出てくる。
f0064415_03158.jpg
お母さんは、工場労働者と設定した。
ヴェッテの書いた台本を深く読むと12時間労働、低賃金、単純労働の繰り返しで疲れている母以外に読み取りようがない。
母は、ヘンゼルの作ったほうきの柄が、いとも簡単に抜けた瞬間に「理性の缶」から「ヒステリーの泡」が吹きこぼれたのである。
[PR]
by kanekonekokane | 2012-08-28 00:14

f0064415_1125521.jpg
舞台監督の乃村クンとヘンゼル役のめぐみ。
彼女は、いつもまだ小さな子どもを連れてがんばっている。
ほとんどの歌い手が子育て中なので、夫や家族の支持が無くてはオペラなどとうていできない。
めぐみの夫君は土日と夜が忙しく、稽古の時間は直接彼女を支えることはできないのだが、親子でがんばって稽古を続けてくれた。稽古場はいつも託児所状態で大きな子が小さな子の面倒をみるということが自然にできている。それでなくても合唱、天使、小魔女と子どもが50人近く出演するから、大ツメの稽古場はにぎやか。

伊勢市は12万くらいの街で、鳥羽市など周辺の街をあわせても15,6万人。ここでオペラ劇団があると言うこと自体スゴイ。歌い手はほぼ伊勢の住人。全員が音楽の専門教育を受けてきている。
三重県は音楽や演劇が盛んな地域で、山と海、川の織りなす開放的な風土にあわさって文化が熟成されている。

乃村クンは京都芸大の同僚である。今回はホントウに彼に舞台をまかせて良かった。
そんなにたいへんな転換ではなかったが、狭くて機能が優れているとは言えない劇場での三場面の転換は気を抜けない。
おかげでわたしは客席のほうでゆっくり見ることができそう。
[PR]
by kanekonekokane | 2012-08-23 11:50

文楽劇場


f0064415_2392189.jpg
近松「曾根崎心中」を見に行く。
春先に「じょうるり」というオペラをやったけど、そのときにずいぶんと心中ものについては調べた。
いろんな思いに戸惑いながら、「じょうるり」「15年目のデュエット」「清姫」と愛の物語を表現しながら、結論めいたことも見えてきた。
それは清姫の2度目の打ち上げ?で、プロデューサーがあるオペラの稽古中に、子どもの合唱のひとりが愛のために死ぬ物語に対して「なんでそんなことで死ぬの?」と聞いたという話をしたときである。
「なんでそんなことで死ぬの?」
大人の論理?心情?に対する強烈な批判。

「おおかみ子どもの雪と雨」というアニメをみた。
おおかみ男「こんなオレでもいいのか」
おんな(うなずいて)「だって、あなただもの」

こんなにかんたんに男と女の壁を乗り越えていくのだ。ロミオとジュリエットの時代はとうに終わっている。
f0064415_239293.jpg
さて曾根崎はどうだったのだろう?
ひさびさの曾根崎はあまり感動しなかった。
「なんでそんなことで死ぬの?」というほど、わたしは純粋ではないけど、どなんやねん、という感覚は残った。
[PR]
by kanekonekokane | 2012-08-22 23:21

SUMMER CAMP in 黒滝


f0064415_075799.jpg
名古屋の衣装さん、下斗米さんたちが呼びかけて毎年、オペラの仲間が集まって行うお祭り。
SUMMER CAMP in 黒滝。
夜のBBQ。
知らない者どうしが紹介し合いながら、音楽、オペラ、文化論を酔った勢いで語っている。
f0064415_074071.jpg
奈良県黒滝村は天川の少し吉野側に位置する山村。
バナーのWOW!というのはなんだったけ?
まあいいや、
会場のお城のような建物の上に月が登った

f0064415_075089.jpg
翌日の出し物のひとつに、伊勢音楽劇場の「河童譚」が演じられた。
伊勢音楽劇場は今「ヘンゼルとグレーテル」をともに取り組んでいる仲間。これが演じられるので、この深い山の中まで来たのだ。
贔屓目ではなく、なかなかのいい出来。
[PR]
by kanekonekokane | 2012-08-10 00:19

外宮


f0064415_032330.jpg
外宮に詣でる。
ところどころに、こういうなんだかわからない石がしめ縄で囲われている。
柱を立てた礎石のように思えるのだが、これと対を成すものは見当たらない。
3個の石の塊のあいだに柱を立てたのだろうか?
柱というものは、神が降り立つ「寄り代」であるし、それ自体が神である。
だから神を数える単位は「一人」ではなく「一柱」である。
柱がなくとも神性は残っているのだろう。あるいは、すでにここにも宿る神がいるのだろうか?
石垣状の囲みは新しそうだが、三つの石は神宮建立以前のものように神寂びている。
f0064415_0321165.jpg

本宮以外に土宮、風宮、多賀宮と3つの摂社があるが、この神々のたたずまいは本宮のそれより風情がある。
ちなみに外宮は食物、土宮は大地、風は天空、多賀は嵐の神々である。
これは大地神を祀る土宮。
f0064415_0322031.jpg
小高い丘の上にある多賀宮へあがる道から風宮が見える。
折からの夕日に輝く千木。
f0064415_0322883.jpg
名付けられていない小さな社も点在している。
この宮は遷宮地も用意されていない。
もしかしたら、神宮建立以前のこの土地の神かもしれない。
進出してきた天皇家の伊勢神社系がここに来る前から、この地に祀られていた神々は少ないはずだ。そのうちの大きなものは内宮のそばの猿田彦神社であろう。
土地神を葬り去ることはできなかった。
神宮周辺の小さな神社のおおくには、稲荷社が祀られているのはそういうことだと思う。
古い神々を追い出しては、民衆の心をつかむことはできなかったからだろう。

そういうことはともかく、板葺きの小さな神殿は外宮の最奥でひっそりと時間をやり過ごしてる。
[PR]
by kanekonekokane | 2012-08-01 00:54