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きょうも良き日


by neko
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岐阜サラマンカホールの一年に一度のシャンデリアの掃除。

このコンサートホールのディレクターとして一年。やろうと思ったことの端緒はつけた、がもう離れることになった。
指定管理者であるドルフィン株式会社の小森社長(今は元社長)が不正を働いて、5年間の指定管理の契約が解除になったのである。

この間、文化政策のなさ、行政の無能、民間企業の無責任をつくづくと感じた。
たとえば、このホールの県の担当者は、資料を見て「PfとかVnってなに?」と電話で聞いてきた。
別に音楽用語を知らなくても恥ではない。ただコンサートホール事業の担当者となれば、webで調べるくらいのことはするべきだろう。
民間企業も情けない。行政の下請けのような発想が多くて、ミニお役所になっている。公立ホールといえども経費を落として、もうけるために営業をして行くべきなのだが、たとえば広告を取るとかには消極的なのだ。
民間活力などと、たわけたことを言ったのはどこのどいつなんだろう。民間の多くが旧態依然の体質でコンプライアンスどころか、ガバナンスもなければマーケティングのノウハウも持ち合わせていないではないか。
それから、たとえ不正な経営者がいたとしても契約が切られるのを漫然と受け入れるというものおかしな話で、雇用や事業継続を理由に事業部門の継続を県に訴えるくらいの気構えが欲しいものだ。県より自分たちが「下」だと思っている。
それはそうだろう、指定管理者側はコンサートやホール運営の専門家集団でもないし、そういう意識も少ない(それでいて何かノウハウを持っていると思い込んでいる)
すでに文化庁は民間企業による指定管理、公開の入札を政策的に否定しているし、公立文化施設協議会や文化団体連絡協議会は公的団体による管理が望ましいと明確に言っている。おそらくこういう全国の流れなど行政と業者は全く知らないのだろう。
次期管理者は昨年度の半額の事業費で落札した。県はその金額だけで業者を決めたのだろう。
そんな予算では何もできまい。スタッフは減らされ、サービスも低下するだろう。
結局は音楽ファン、観客に迷惑がかかる。

しかし、もう、しょうがないことである。
一年間で学んだことも半端なく多かった。GONNAの仕事のなかでも、こんなに観客とアーティストの立場に立ったことはなかったような気がする。
常に客が何をのぞんでいるかを考え、たとえ理不尽に思えても、客のミスから起こったトラブルであっても、客の言うことが正しく、こちら側にな落ち度があると考えるようになった。
コンサートのときは、受付に立ち一人ひとりの客に頭を下げ、常連とは言葉を交わし、真っ先に客の要望を聞き、休憩中には感想を聞いた。
ほんとうに「客から教えてもらう」と思えた一年だった。

思えば一番、印象にのこっているのは、東京フィルのコンサートの休憩でコーヒーを飲んでいた「茶パツ、ピアス」のロックな青年に「どうですか?コンサートは」と聞いたら「トリハダが立った」といい、そばにいた彼女をさして「クラシックははじめで、彼女に誘われたんです」という話を聞いたことである。
「トリハダがたつ」、そういう経験がわたしにもある。そのロックな青年も、あの思いがけなくジワーとくる音の波動を感じたのだ。

イイ一年だった。
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by kanekonekokane | 2012-04-01 02:05