ねこの生活と意見 nekokane.exblog.jp

好きなリンク先を入れてください

きょうも良き日


by neko
プロフィールを見る
画像一覧

鳳凰座歌舞伎


下呂鳳凰座歌舞伎は地歌舞伎が多く残る岐阜県のなかでも、見ごたえのある芝居小屋の一つである。
f0064415_2213555.jpg

写真は、この日の出し物のひとつ、「近江源氏先陣館」から「盛綱陣屋」。

敵方についた弟、高綱の首を、兄、盛綱が実検する場面だが、実は首は偽もの。
欺くための策略である。
この盛綱陣屋に捕らえられている高綱の息子小四郎は、ニセと知りながら、その首を見て「父上!」と叫んで切腹する。つまり首をホンモノと思わせる策略なのである。
その小四郎の命を懸けた行為に、盛綱は「首は確かに高綱のもの」と大将にうそをついてしまう。

盛綱を演じるは田上敏明氏。もとより憂いを含んだ顔立ちの氏の演技は武家の葛藤を見事に演じていた。小四郎役が小学生2年くらいの子役なのだが、そのあどけなさと田上氏のシリアスな演技が対照的でいっそう感動的であった。
f0064415_22214168.jpg

太夫は田之上芳孝氏で、持ち味の魅力的な声色を申し分なく発揮した渾身の演技だった。
ビールをのんだり弁当を食べながらの見物ではあるが、クライマックスには水を打ったように舞台に集中する。

山の中、田や畑でさえ少ない田舎で、このような高い水準の伝統演劇が数百年にわたって続いてきて、いま目の前でおこなわれていることに、奇跡でも見るような感動を味わった。
何度もこのあたりの芝居に脚を運んでいるが、保存会のみなさんの努力に本当に敬服する。

無料だが、祝儀を出すのが慣例で、こんな小額でも、黒々と筆書きで張り出してくれた。
f0064415_2229255.jpg

[PR]
by kanekonekokane | 2007-05-12 22:32