松本のクラフトフェアに行った時、家具作家の友人の家で、遅くまで飲んだのだが、そこでいっしょになった人が映画好きのご夫婦。その奥さんに、強力にこの「ブロークバック マウンテン」を薦められたので、大阪に行ったついでに宝塚にあるピピアまで見に行った。
アカデミー監督賞をとった作品だが、マイナーな配給なのでシネコンなどではかからない映画である。ついつい見逃すところだった。
アメリカのカウボーイの同性愛を描いている。
夏の間、羊相手に二人きりで過ごす間に、男同士に恋心が生じて、肉体関係になることは、正直理解しくいことではあるが、わたしはキスシーンなどは素直にみれた。
アン・リー監督の「ウェディングバンケット」のときも違和感なく見れたが、私には同性愛に対する嫌悪感はないということを再確認した。
むしろ、男二人が、互いの境涯に共感し、荒々しくぶつかり合いながらも友情を深めるシーンや、食事のことのやり取りの場面では、男と女ではあのようにあっさりとはいかないと思ったし、二人が仲良くホースライディングしたり、川に飛び込んだりする場面はうらやましいとも思った。
二人が深い関係になることは、簡単に理解できない。どうしてひきつけあうのかはそこまででは説明されていない。
しかし物語がすすむうちに、それぞれの生活や家族関係が描かれ、二人の人間的な豊かさが見えてくる。
投げやりで貧乏をあきらめているようなイニスが、シャイで誠実、短気だけど正義感が強く、ジャックもやんちゃでも他人をいたわる気持ちも、子どもに対する率直な愛情にも深いものを感じさせる。
こういう二人が引き合うのもありうることだと、映画の最後のほうで納得できる。
二人は普通に異性に性欲を感じる男である。夏が終わるとそれぞれ結婚し子どもをもうける。
4年たって再会するが、このシーンが秀逸だと思う。
シャイなイニスが、ジャックを待つ気持ちがいじらしいくらいに描かれ、会えば気持ちを抑え切れなくて二人はキスをする。
それから子どもたちが成人するまで、切れ切れに20年関係は続く。
これは男同士の恋物語だが純粋な愛の物語で、「ひとは誰かを愛さずにいられない」、けどそれがどうして同性ではいけないのだ、と迫って来るものがある。
また、同性愛を描くことで、男女の愛も含めて「愛の寓話」でもあるのだ。
二人の俳優ヒース・レジャー、ジェイク・ギレンホールの「勇気」に賛辞を送りたい。
何気なく挿入される、一見本筋とは無関係なシーンの配置と科白など優れた脚本だと思う。 山々の描写も美しいし、ギター一本でのテーマ音楽も抑えた切なさを表現して実にいい。
公式サイトに行くと、制作ダイアナ・オサナや監督アン・リーが制作費が少ないことを嘆きつつ、よい現場だったと書いている。こういう映画がマイナー配給ゆえに多くの人に見られないのは残念なことだ。
サイトのプロダクションノートも一読の価値がある。
アカデミー監督賞をとった作品だが、マイナーな配給なのでシネコンなどではかからない映画である。ついつい見逃すところだった。
アメリカのカウボーイの同性愛を描いている。
夏の間、羊相手に二人きりで過ごす間に、男同士に恋心が生じて、肉体関係になることは、正直理解しくいことではあるが、わたしはキスシーンなどは素直にみれた。
アン・リー監督の「ウェディングバンケット」のときも違和感なく見れたが、私には同性愛に対する嫌悪感はないということを再確認した。
むしろ、男二人が、互いの境涯に共感し、荒々しくぶつかり合いながらも友情を深めるシーンや、食事のことのやり取りの場面では、男と女ではあのようにあっさりとはいかないと思ったし、二人が仲良くホースライディングしたり、川に飛び込んだりする場面はうらやましいとも思った。
二人が深い関係になることは、簡単に理解できない。どうしてひきつけあうのかはそこまででは説明されていない。
しかし物語がすすむうちに、それぞれの生活や家族関係が描かれ、二人の人間的な豊かさが見えてくる。
投げやりで貧乏をあきらめているようなイニスが、シャイで誠実、短気だけど正義感が強く、ジャックもやんちゃでも他人をいたわる気持ちも、子どもに対する率直な愛情にも深いものを感じさせる。
こういう二人が引き合うのもありうることだと、映画の最後のほうで納得できる。
二人は普通に異性に性欲を感じる男である。夏が終わるとそれぞれ結婚し子どもをもうける。
4年たって再会するが、このシーンが秀逸だと思う。
シャイなイニスが、ジャックを待つ気持ちがいじらしいくらいに描かれ、会えば気持ちを抑え切れなくて二人はキスをする。
それから子どもたちが成人するまで、切れ切れに20年関係は続く。
これは男同士の恋物語だが純粋な愛の物語で、「ひとは誰かを愛さずにいられない」、けどそれがどうして同性ではいけないのだ、と迫って来るものがある。
また、同性愛を描くことで、男女の愛も含めて「愛の寓話」でもあるのだ。
二人の俳優ヒース・レジャー、ジェイク・ギレンホールの「勇気」に賛辞を送りたい。
何気なく挿入される、一見本筋とは無関係なシーンの配置と科白など優れた脚本だと思う。 山々の描写も美しいし、ギター一本でのテーマ音楽も抑えた切なさを表現して実にいい。
公式サイトに行くと、制作ダイアナ・オサナや監督アン・リーが制作費が少ないことを嘆きつつ、よい現場だったと書いている。こういう映画がマイナー配給ゆえに多くの人に見られないのは残念なことだ。
サイトのプロダクションノートも一読の価値がある。